2026.09.21

型を知るからこそ、表現はどこまでも自由になる

■茶色い「男の弁当」からの脱却

ここ一年ほど、自分でお弁当を作ってきた。

と言っても見た目や栄養バランスなんて一切考えない、その日の気分で食べたいものを詰め込むだけの、茶色い「ザ・男の弁当」。

 

■ひょんなきっかけから始まった「レシピ通り」の毎日

そんなスタイルが一変したのは、息子の夏休みがきっかけだった。

妻はリモートワーク勤務だが、仕事柄どうしても決まった時間に昼休みをとるのが難しい。一方で、息子は毎日の習い事のために決まった時間に家を出ていく。

二人の時間がどうしても合わないため、ひょんなことから私が息子の分のお弁当も作ることになる。

流石に息子が食べるお弁当ともなると、栄養バランスや見た目、味付けもそれなりに考えなければならない。

感覚任せだった料理を改め、レシピをしっかり見ながら作り始めることに。

調味料のさじ加減や火入れの時間、具材の投入順序に切り方まで、すべてレシピ通り。

これまで感覚派で、計量カップなんて使ったこともなかった私の姿を見て、妻は目を丸くしていた。

 

■「基礎」がもたらす美味しさとアレンジの広がり

それまでの「茶色いおかずだらけ」から彩り豊かなお弁当にみるみるレベルが上がっていく。

息子に感想を聞いてみると「随分薄味になって美味しい」と言う。

正しく基礎を守ることで素材の味が活きたのだろう。

基礎がわかればアレンジやバリエーションも増え、週末には作り置きを仕込んだり、新しいレシピへ挑戦する楽しさも知った。

 

■料理の気づきは、映像クリエイティブの本質へ

そしてふと気づいた。この変化は、私たちが向き合う映像制作のクリエイティブと全く同じではないか、と。

感覚やひらめきだけに頼った制作は、時に勢いを生むが、どこか大味になりがちだ。

企画のロジック、構成力、カット割りの基礎、音楽構成、デザインや色使といった「表現の基礎(レシピ)」を忠実に守るからこそ、映像は破綻せず、伝えたいメッセージが美しく際立つ。

型を破るためには、まず型を知ること。

確かな基礎という軸があるからこそ、応用や演出のバリエーションは無限に広がる。

 

■基礎を整え、次なる挑戦へ

……なんてことを考えながら、会社の更なる成長とクリエイティブの質の底上げを目指し、現在新しいスキル評価シートを一新しているところだ。

基礎を固め、さらなる高みへ挑戦できる環境を整えていきたい。

 

m.hirao