2026.07.01
信長の逸話が教えてくれるもの
戦国時代の武将たちは、敵将の首級を挙げることで名を上げました。
しかし桶狭間の戦いで織田信長が最も重視したのは、最後に槍を振るった者ではなかったと言われています。
勝利を決定づけたのは、「今川義元がどこで休息しているのか」という情報でした。
どれほど勇猛な武将がいても、敵の居場所が分からなければ勝機はありません。
結果を生んだのは、一撃ではなく、その前に存在した情報でした。
私たちの仕事も似ています。
営業の世界では、契約を取った人が称賛されます。
もちろん、それは大切な成果です。
しかし、その契約は本当に一人の力だけで生まれたのでしょうか。
日頃から顧客と信頼関係を築いた人。
困りごとを聞き続けた人。
業界の変化を調べていた人。
制作現場で新しい技術や手法を取り入れながら、品質を守り続けた人。
問い合わせに丁寧に対応した人。
そうした多くの働きが積み重なって、初めて受注という結果になります。
顧客満足も同じです。
一本の作品が納品された瞬間の満足は、やがて薄れていきます。しかし、
「この会社は相談しやすい」
「困った時に頼りになる」
「約束を守る」
「こちらの事情を理解してくれる」
という信頼は長く残ります。
それは一度の成果ではなく、継続した「関係性の品質」の中から生まれます。
これからの営業に必要なのは、契約を取る技術よりも、顧客の未来を知る力。
売る力よりも、聴く力。提案する力よりも、理解する力。かもしれません。
信長が評価したのは、首級そのものではなく、勝利を生み出した情報でした。
私たちもまた、目の前の売上だけではなく、その売上を生み出した信頼や行動を評価できる組織でありたいと思います。
結果は大切です。
しかし、持続的な顧客満足は、結果の前と後にある「見えない貢献」から生まれるのです。
そして、その見えない貢献を認め合える組織こそが、長くお客様から選ばれ続ける組織なのだと思います。
信長の逸話は、勝利の物語ではなく、「何を評価するか」という組織づくりの物語なのかもしれません。
K-ono