2026.08.01

「やりがい」とは

VEという仕事

私がこの業界に入った1980年代は、映画業界の方々が本格的にビデオ作品に携わり始めた時代でした。

「作品を作る」という本質は映画もビデオも変わりませんが、撮影から仕上げまでの工程は大きく異なり、その中でVE(ビデオエンジニア)の役割は非常に重要なものでした。

VEは、打ち合わせから撮影、仕上げに至るまで、撮影部や照明部などを技術面から支える、いわば「女房役」のような存在です。私は入社当初、そんな先輩VEの方々と一緒に仕事をさせていただき、毎日が学びの連続でした。現場での判断力や技術力、そしてスタッフとの信頼関係を築く姿を間近で見ながら、多くのことを吸収してきました。

そして数年後、自分自身がVEとして現場を任されるようになり、監督や撮影監督、 照明スタッフなど、それぞれが思い描く映像表現を技術で支え、そのイメージに少しでも近づける役割を担えたと実感したとき、大きな「やりがい」を感じました。自分の仕事が作品づくりの一部となり、多くのスタッフと力を合わせて一つの映像を完成させた喜びは、今でも忘れることができません。

 

達成感や成長の積み重ね

「やりがい」と聞くと、大きな成果を上げたり、社会に大きな影響を与えたりすることを思い浮かべるかもしれません。しかし、多くの会社員にとってのやりがいとは、日々の仕事の中にある小さな達成感や成長の積み重ねから生まれるものではないでしょうか。

会社員は、組織の一員として仲間と協力しながら目標に向かって働きます。一人では成し遂げられない仕事をチームで完成させたときには、大きな充実感があります。また、自分が提案したアイデアが採用されたり、担当したプロジェクトが成功したりすると、自分の存在価値や仕事の意義を実感することができます。

さらに、お客様や取引先から「ありがとう」と感謝の言葉をいただくことも、大きなやりがいにつながります。自分の仕事が誰かの役に立ち、喜ばれていると感じられる瞬間は、給与や評価だけでは得られない満足感を与えてくれます。

やりがいは最初から与えられるものではありません。新しい知識や技術を身につけ、困難な課題を乗り越え、自分自身の成長を実感することで、仕事への向き合い方も変わっていきます。昨日よりもできることが増えたという実感は、次の挑戦への原動力になります。

もちろん、仕事には苦労や失敗もあります。しかし、その経験を糧として前向きに取り組み続けることで、自分らしい働き方や仕事の価値を見いだせるようになります。

 

会社員にとってのやりがいは、人それぞれ異なります。

昇進や収入を目標にする人もいれば、人との信頼関係や社会への貢献に喜びを感じる人もいます。

私は、先輩から学び、自らも経験を積み重ね、作品づくりを支える立場として仲間と一緒に一つの作品を完成させてきたことに、大きなやりがいを感じてきました。

やりがいは、特別な成功の先にだけあるものではありません。日々の積み重ねの中で少しずつ育まれ、自分自身を成長させ、次の挑戦へと導いてくれるものだと思います

                                   s.mori