2026.07.21

人間力

世界中を熱狂の渦に包み込んだサッカーワールドカップ2026。

みなさんも睡眠時間を計算しながら日本代表の応援をしてましたか?

今大会、日本代表のピッチ上での熱戦やスター選手たちのスーパープレーも

素晴らしかったですが、それ以上に盛り上がったのが本田圭佑さんの解説です。

 

(相手選手に向かって)「めっちゃウザい」

(レフェリーのジャッジに対して)「なぁんでやねん!」

(途中出場する選手について)「俺の方が緊張してるかも」

(盛り上がるファンや視聴者に向けて)「いけいけドンドンやて」

 

炎上などどこ吹く風といわんばかりの忖度のないストレートな物言い、

そして何より言葉の端々から溢れ出る圧倒的な「熱量」と「人間臭さ」。

彼の解説が支持される理由は、単なる状況説明を超えた、

彼自身の生き様が投影された、

【人間力】ではないでしょうか。

 

私たち映像制作の世界も今、大きな転換期にあります。

AIが企画の土台となるヒントをくれ、AIがあらゆる資料を収集し、AIが動画を生成し、

AIがナレーションを読む。

今までのように時間をかけなくてもある程度の「正解」や「ノウハウ」が

容易に手に入る時代になりました。

が、しかし…

そんな時代だからこそ、本田さんの解説が支持されたように、

これからのクリエイターに求められるのは【人間力】ではないかと私は考えます。

 

表面的な正解や綺麗なノウハウの先にある「徹底的な寄り添い」

 

本田さんの解説を聞いていると、時に厳しい言葉を投げかける場面があります。

しかし、それは決して否定ではなく、同じ勝負の世界に生きる表現者としての

「深い共感」と「リスペクト」があるからです。

 

私たちの仕事における「クライアントに寄り添う」という言葉も、

単に言われた通りに作るという意味ではありません。

クライアントが本当に成し遂げたいことは何か。

そのために、今のオーダーが最適ではないと判断すれば、プロとして別の選択肢を提示する。

 

本田さんが解説席からピッチに檄を飛ばすように、私たちもクライアントと同じ熱量で

プロジェクトに向き合い、時には予定調和を壊してでも「最高のゴール」を目指す。

この泥臭いコミュニケーションこそが、AIには代替できない、人間同士の信頼関係を

築く【人間力】です。

 

最後に勝つのは…

 

映像技術はこれからも進化し続け、制作のハードルはどんどん下がっていくでしょう。

しかし、技術がフラットになればなるほど、最後に選ばれる理由は「誰と作りたいか」

という極めてアナログな部分に収束していきます。

 

本田圭佑さんとの言葉に私たちが惹きつけられるように、

「このディレクターの視点は面白い」

「このチームと一緒に作品をつくりたい」と思ってもらえるかどうか。

 

AIを使いこなしつつも、AIに魂まで預けない。

最後に勝つのは【人間力】と信じ、そのために自分の感性を磨き、自分の言葉に責任を持ち、

クライアントの想いを自分のこととして背負う。

 

ますます進化し続けるテクノロジーの隣で、誰にも負けない【人間力】を身につける。

そう強く感じた2026年の夏でした。

 

k.iritani