2026.02.27

「預かる」という責任

我が家には5歳になる猫がいる

かけがえのない家族の一員だ。

 

その日、猫の様子があきらかにおかしかった。餌も食べないうえ、かなり辛そう。あわてて動物病院へ連れて行った。検査の結果は腸閉塞の疑い。さらにCTを撮ると、原因はおもちゃの破片だった。遊んでいるうちに誤って飲み込んでしまったらしい。

すぐに手術となり、無事に異物の摘出は成功した。しかし安堵と同時に強く残ったのは、「これは防げたのではないか」という自責の念だった。おもちゃの劣化に気づきながら、まだ大丈夫だろうと思ってしまったこと。片付けを徹底していなかったこと。すべては飼い主である自分の管理不足に起因している。小さな油断が、命に関わる事態を招いた。

猫は自分で環境を選べない。与えられた環境の中で生きるしかない。だからこそ飼い主には「預かる責任」がある。安全を確保し、危険を取り除く義務がある。その重さを、今回あらためて突きつけられた。

 

この出来事は、会社組織の在り方にも通じている

組織もまた、人材、仕事、信用という大切なものを預かっている。メンバー一人ひとりが安心して力を発揮できる環境を整えるのは、経営やマネジメントの責任だ。「これくらい大丈夫だろう」という感覚が積み重なれば、やがて大きな事故や損失につながる。問題が起きてから対処するのでは遅い。起きないように備えることこそが、本来果たすべき責任だ。

命は当たり前にそこにあるものではない。組織の信頼も同じだ。一度損なえば、取り戻すのは容易ではない。だからこそ日々の小さな管理、点検、気配りが重要になる。派手さはなくとも、その積み重ねが組織を守る。

言葉を話さない存在から、多くを学ばされた。守る立場にあるということは、結果に対して言い訳をしないということでもある。預かるとは、責任を引き受け続けるということだ。

我が家の猫は何もなかったかのように、今日も日当たりの良い窓際で、大きなあくびをしている。

この小さな命が教えてくれた重みを忘れずにいる。

家庭でも、そして会社でも、危険を見過ごさず、環境を整え続ける。その覚悟を持って日々の判断を重ねていきたい。

s.morita